ある特定の建設事業は「プロジェクト」である。
その事業目的とする要求事項(顧客ニーズ、社会的ニーズ)を達成することがプロジェクトのゴールである。
そのゴールに至るまでの間に、基本計画、調査、設計、施工といった実行段階(フェーズ)が含まれいる。
それら各段階(フェーズ)は、事業目的の達成を阻む「障害」を乗り越えるための「中間目標」を達成するプロセスである。
このように各段階(フェーズ)は、個々に独立しているのではなく、プロジェクト全体の目的を達成するための一部分であり、相互に依存関係を持つ。
また、それぞれの段階で達成すべき中間目標を持つため、全体プロジェクト内の「子プロジェクト(サブプロジェクト)」に当たる。
事業全体はその事業目的を達成するためのプロジェクトであり、その中に含まれる各段階(フェーズ)は、事業の中間目標達成のためのサブプロジェクトである。
したがって、事業全体はプロジェクトとして、各段階(フェーズ)はそのプロジェクトに含まれるサブプロジェクトとして管理されることが必要である。
「エンドユーザーの価値を実現するためのプロジェクト」として、事業全体のあり方を考えなければならない。
現在、建設事業で「プロジェクトマネジメント」というと、たいてい施工段階のプロジェクトを指している。
しかし、上で述べたとおり、施工段階は事業全体の中の一部分(サブプロジェクト)にすぎない。
その施工開始条件が整った段階でスタートし、求められる建造物の完成によって終了するサブプロジェクトである。
施工業者にとっては、その工事を請け負った時点でプロジェクトが始まったかのように見えるが、事業全体からすれば、単に工事(サブプロジェクト)を遂行するための資源(施工業者)を割り当てた段階に過ぎない。
そして、このサブプロジェクトは、上位のプロジェクトである事業全体の目的を達成するために実行・管理される必要がある。
サブプロジェクトの実行そのものが目的なのではなく、全体の目的のために行われることを忘れてはいけない。
施工以外の設計、調査などの段階(フェーズ)についても同様である。それらはサブプロジェクトとして、全体目的に沿って管理されるべきものである。
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