みなさんが行っているような知識を使うサービス労働の生産性を上げるためには、「時間のまとまり」が必要です。「時間のまとまり」といっても、4時間とか8時間とか、そういうオーダーの話ではありません。
人間の集中力が持続できるのは、せいぜい90分程度です。
ですから、ここで言う「時間のまとまり」とは60分から90分くらいの時間のことです。ただし、この時間は何にも邪魔されない集中した時間である必要があります。
何にも邪魔されないとはまさに言葉通りで、この時間には集中してやると決めたこと以外には、電話に出ることも、メールに対応することもなにもかも、その仕事に関わりのないことは一切行ってはいけません。
「時間のまとまり」を確保するという強い意識を持たなければ、このような時間は確保できません。
日々の生産性は、この「時間のまとまり」を一日にいくつ作れるかで決まると行っても過言ではありません。
「時間のまとまり」を作って生産性を高めるための手順をいかに紹介します。
1,自分の時間を知る
まず、現在の自分の時間がどのように使われているのか記録します。時間というモノは放っておくと、どんどんムダに使われていきます。自分の時間が実際に何に使われているのかを認識することが大事です。
2,時間を整理する
「整理する」とは、まずいらないものを捨てて、残ったモノだけを整列させることです。時間の整理もやはり捨てることから始めます。
時間を浪費している仕事をまず排除します。
そのためには、以下のことを行う必要があります。
1)する必要のまったくない仕事、何の成果も生まない仕事を見つけて、捨てる
2)他の人でもやれることは何かを考える
3)仕事仲間に「あなたの仕事に貢献せず、ただ時間を浪費させるようなことを自分がしていないかどうか」を聞く
3,自由になる時間をまとめる
ここでようやく「時間のまとまり」を作ることができます。
できあがった「時間のまとまり」(コマ)に対して、優先度の高い順に仕事を割り当てます。
一つの仕事が完了するまでは、他の仕事を挟まずに一つのことに集中することが大事です。
★「時間のまとまり」を作るための工夫
「時間のまとまり」を作るためには、現在の仕事の進め方をいろいろと工夫・改善する必要があります。
いくつか例を紹介します。
1)職場内コミュニケーション
時間割を作り、集中する時間と、内部コミュニケーションを取る時間、休憩時間を決めておく。
仕事の状況によって集中する時間は個人毎にばらばらでも、コミュニケーションを取る時間は共通にしておく。
集中時間内は原則としてお互いに話しかけない。
2)電話
電話応対時間を決めておく
それ以外の時間は、携帯電話は電源を切るかまたはマナーモードにしてどこかに放っておく。
留守番電話や着信履歴で電話があったことはわかるので、集中時間を終えた後で、適宜折り返しの電話を入れる。
固定電話は、電話番を決めておく。
集中時間内は電話は原則的に取り次がず、電話番が用件を聞き、相手には何分後かに折り返すことを告げておく。
集中をそがないような所定の場所に伝言をメモしておく。
電話は事前に準備して応対するのと、準備なく急に応対するのでは、コミュニケーションの効率が極端に違う。
他人に対しても、FAXやメールで用件を送っておいてから、回答を準備する時間を与え、時間を指定して電話すれば、コミュニケーションの効率が大幅に向上する。
3)メール
メールを送受信する時間を決めておき、その時間以外はメーラーを起動しない。自動受信機能は当然切っておく。
携帯メールは受信しないように電源を切っておくか、または着信しても気にならないようにどこか見えないところに放っておく。
電話相手に対して即時対応をしないことは、失礼に感じるかもしれないが、即時対応したところで、全く別のことを考えたり、作業しているときにすぐに満足な対応ができるはずもなく、かえって逆効果の場合が多い。
相手が話したいことに対して、頭と資料の準備を整えてから対応した方が、お互いの時間を無駄にしないで良い。
電話で応対することを仕事にしているコールセンターなどとは訳が違う。
準備が整っていないならば、電話は即時対応しないほうが実際にはメリットが多いことを覚えておくべきである。
参考になる本
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー著、上田惇生訳
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