現在常識とされる業務のやり方では、おそらく「できる現場技術者」は育たない。
そう考えるのは、「現場技術者が育たない」という目に見える結果の原因を認識する必要がある。
現場技術者、特に若い現場技術者の教育に関して、以下に持論を述べることにする。
1,コンピュータを使わせない
人は生産性の向上のために、さまざまな道具を生みだし利用してきた。
近年では仕事に欠かせない道具の代表格が、コンピュータである。
それは、オフィスにおけるルーチンワークの効率を飛躍的に高めると同時に、人の脳の代わりもこなす優れものであった。
縦横算はエクセルを代表とする表計算プログラムが、測量計算は測量計算プログラムが、幾何学的計算をCADが、専門技術的な設計計算をそれぞれ専用ソフトが、人間が計算するよりもずっと早く、正確に計算するようになった。
その結果、技術者は自ら考え、計算するのが仕事ではなく、ソフトに必要な数値を入力し、操作するオペレーション業務が仕事となった。
自分の頭と手で計算をしてきた人がその計算効率を上げるために、ソフトを使う分には問題は少なかった。
しかし、自らの頭も手も動かしたことがないままに、数値を入力するだけで、計算をする技術者が増加してきた。
自分で計算はできないけれど、答えだけは出すことができる人たちが増えてきた。
移動に車を使って歩かなければ、筋力が落ちることと同様、コンピュータに自分たちの脳の代わりをさせればさせるほど、人の”脳力”もますます落ちる。
少なくとも、基本を身につけるべき若い技術者(特に新入社員)には、コンピュータを使わずに計算する苦労をさせるべきである。
コンピュータのオペレーションを覚えることは、脳に汗をかかせた後からでも十分に間に合う。
新入社員にはコンピュータをあたえるべからず。
新人技術者に短期の効率や成果を求めてはいけない。
それは、長期的な効率や成果を犠牲にすることにつながる。
2,朝型人間に矯正する
多くの現代人のライフスタイルは確実に夜型に変化している。
現場技術者の生活も例外ではない。
朝の朝礼に始まり現場を管理し、夕方に現場が終われば、事務所に帰って書類整理が始まる。
毎日のように深夜まで残業が行われることも珍しくない。
夜遅くまで起きていると、朝は早起きできない。
現場到着は、朝礼ぎりぎりなる。
悪くすれば、朝礼に間に合わない。
午前中は眠たくて調子が出ない。
「だから、自分は夜型なのだ」と納得する
「日が暮れたら頭を使う仕事をしよう。」
今日も深夜まで残業だ。。。
こんな悪循環がそこかしこで起こっている現実である。
しかし、ここには決定的な間違いがあるのかもしれない。
夜型人間は非常に不効率な働き方をしているのかもしれないのである。
なぜならば、人間の脳は「午前中の方が働きが良い」という脳科学で実証されている事実があるからである。
脳を使う仕事に関していえば、午前中の1時間は、午後の2時間に相当すると言われている。
すなわち、午後5時以降に4時間残業を要する仕事は、朝2時間の早出で終わると言うことになる。
ましてや、夜アルコールを摂取しながら残業に時間を費やすのならば、早起きして朝仕事をしたほうが倍以上仕事がはかどるはずである。
さまざまな書類業務が増えたこともあり、「残業が多くて大変だ」という悩みは常に聞くのだが、そういう人は必ずと言っていいほど「夜型人間」である。
この件に関しては、多くの方から反論があるだろう。
確かに個人差はあることだろう。
しかし、否定する場合はまず実際に1ヶ月ほど試してみてほしい。
その結果(事実)に基づいて否定してほしい。
朝型人間は、夜型人間の倍稼ぐ。
となれば、若い技術者ほど朝型人間への矯正を早めに行うべきである。
3,自分の現場日誌をつける
自己目標管理のページでも少しふれているが、自分を自分で管理できなければ、成果を生み出すための能力も向上できない。
成果を上げるための能力は教えられて身につくモノではない。
自ら努力し手に入れるべきモノである。
だからといって難しく考える必要はない。
現場技術者は、自分のための現場日誌から始めればよい。
自分の現場日誌は、次の項目を含んでいることを推奨する。
また、これらはすべて手書きで行うことをおすすめする。
1)今日のタイムスケジュール(計画)
2) 今日のタイムスケジュール(実施結果)
3)今日の自分が行うべき仕事のリスト(優先順位付き、完了したらチェック)
4)今日のポイント(特筆事項など)
5) 明日の予定
これによって、自分の時間がどのように使われているのを記録する。
そして、それを自ら認識する。
そして、もっと上手に時間を使えるように計画し、改善努力する。
仕事は常に優先順位を考え、優先順位の高い順に処理する。
仕事の中で気づいたことやアイデアをメモする。
考える。
発展させる。
常に先のことを考えるクセをつける。
これらはすべて手で書く。
手で書くことで、脳が活性化され、アイデアが広がったり、脳力の維持向上にもつながる。
現場日誌は会社のためでなく、自分のためにつけるべきモノなのである。
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