品確法の施行以降、公共事業における入札においては、基本的には総合評価を行わなければならなくなった。
国土交通省を中心に、徐々に地方自治体にも総合評価方式による入札が広がっているが、まだお互いに試行錯誤を繰り返しているように見える。
地元企業からは、総合評価の入札においてなかなか得点がとれず悩んでいると相談を受けることがある。
発注側がどのように点数をつけているのかまでは知らないが、話を聞いてみると一般的なテストの採点方法によっても、点を与えられない答案を書いている企業が多いようである。
技術的な良否はさておき、形式的にテストの設問に合った回答をしていなければ点数のつけようがない。
では一般的な採点方法からすればどのように答えるべきなのか、形式的な面より実例を見てみよう。
国土交通省の総合評価で良くある出題
【 総合評価に関する事項】 ○評価に関する基準 1,各評価項目について下記の評価基準に基づき加点する。 1)施工計画の適切性について 施工計画について 評価内容;発注者が指定した施工上の課題への対応の的確性 評価; 優(+20); 課題への対応が現地の環境条件(地形、地質、環境、地域特性等)を踏まえており的確に図られ、工夫が見られる 良(+10); 課題への対応が現地の環境条件を踏まえており的確 可(+0); 不的確ではないが、一般的な事項のみの記載ここで指定する課題として、
盛土工の施工管理上配慮すべき事項について
現場打ち函渠工のひび割れ防止対策について
などという項目から一つの課題が与えられる。
このような問題に対する一般的な回答方法は、その問題文に正確に答えることである。
評価が「良」となるためには、「現地の環境条件(地形、地質、環境、地域特性等)を踏まえて」いなければならない。
このとき、問題文中にある項目、「地形」「地質」「環境」「地域特性」についてはそれぞれふれておくべきである。
ここまでが10点分である
さらに評価を「優」とするためには、上記を踏まえた上で、さらに「工夫がみられ」なければならない。
この工夫がプラスの10点になる。
相手が指定した設問に答えていない場合、「問題の文章を理解する能力がない」あるいは「クライアントが何を要求しているのか理解できない」ということをアピールしていることになる。
それでは点がもらえなくて当たり前なのである。
お客さんの要望を的確に聞き取って、適切な提案ができない人に仕事を任せようなどと思うわけがない。
以上は、技術士試験の論文や、一級土木施工管理技士の実地試験小論文、コンクリート主任技師の小論文などでも共通する一般的な試験解答方法である。
問題文に書いてあることを良く読み、相手が何を求めているのかを理解し、それについて焦点を絞って正確に書く。
自分の自慢話のようなことをつらつらと手前勝手に書いても、点をもらえないどころか読んでさえもらえないことだろう。
以上、試験の解答方法と考えればただの「答案テクニック」と思われがちであるが、顧客の要求事項をきちんと把握し、顧客の困り事を自らの技術で解決することを提案できることは、ビジネスのスキルとして当然持っておくべきものである。
少なくとも全く的外れな施工計画を出し続けることはやめにしよう。
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