課題に対して、「現地の環境条件(地形、地質、環境、地域特性等)を踏まえて」、形式的に答えることは比較的容易であるが、その上の「工夫が見られる」技術提案をするためには技術的な考察が欠かせない。
このとき、その技術的な工夫をどのように評価しているのか、その基準は私は知らない。
しかし、ここで求められるべきことは「施工の素人(発注者)に対して、何がその現場のポイントであり、どのように現場を進めるべきなのか」を、経験豊富なベテラン(施工者)が、その経験と知識をフル活用して提案することである。
施工計画提案は、正解の数や点数を競うテストとは違い、ビジネス提案である。
よりよいモノを造るために、施工技術に明るくない発注者が、施工技術に長けている施工業者に自分たちが考えもしなかったようなすばらしい施工提案を求めているのだと考えるべきである。
だから、共通仕様書や道路土工指針のような教科書に載っていることを、そのまま書き写しても意味がない。
それらの教科書的な知識を踏まえた上で、その現場では実際にどう施工すべきなのかを、現地を観察して、自分の意見として語れることが重要なのである。
施工計画提案にとって最も大事なことは、教科書的な正しさではない。
経験的・直観的にその現場のポイントをつかみ、実際に施工するためのプロの意見であり、意志である。
そのためには、点数を競うテストとしてではなく、より良いものを造るためのビジネス提案として取り組まなければならない。
それに反して、総合評価入札制度による悪い副作用として、高い点数を取る計画書を書くテクニックなどというものや、そのテクニックを教える者がでてくる。
施工計画提案は、学生のテストとは違う。
プロならプロらしく顧客の求める価値を正しく見極め、それを実現するためのポイントを絞り、顧客を感心させ、うならせるようなビジネス提案としての施工計画を作るべきである。
もう一度繰り返す。
総合評価のための施工計画提案は、学生のテストではない。
ビジネスのための提案である。
プロとして恥ずかしくない提案を心がけてほしい。
総合評価入札制度も使いようである。
公共事業のありようそのものを、良くも悪くもできる。
手段に縛られ、目的を見失った運用は、必ず大きな負の副作用を発生させるだろう。
発注者、施工者ともに、「真の顧客(エンドユーザー)に、その求める価値を届ける」という目的を見失うことなく、運用してほしいと切に願う。
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